日本子ども未来展
日本児童養護施設財団 主催
第5回日本子ども未来展
趣旨について
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に子どもたちが自身が作った芸術作品を通して、日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施するものです。本未来展は、全国児童養護施設総合寄付サイトを運営する日本児童養護施設財団が実施しております。
プロフィール
ドミンゴ・ザパタ(1974年生まれ)は、スペインのパルマ・デ・マヨルカ生まれのスペイン系アメリカ人アーティスト。ニューヨーク、マイアミのデザイン・ディストリクト、ハリウッドを拠点に活動。
2002年、ザパタはウォール街で金融関係の仕事をしていたが、趣味である絵画を追求し始めた。その頃、彼が描いたポロ馬の絵が、建設業者のマイケル・ボリコの目に留まった。2004年、ボリコは自宅でサパタの絵画を集めた個展を開き、実業家ジョージ・ソロスも出席して、2005年にザパタの「青い馬」を購入した。彼の作品は、ゴールドマン・サックス、レオナルド・ディカプリオ、ジョニー・デップによって収集されている。2021年にセントバーツで開催されたユニセフの年次チャリティーオークションでは、ザパタの絵画「モナリザ・ブルファイター」が100万米ドル以上の価格で落札された。
また、精力的に子どもたちへの支援を行なっており、最近ではニューヨークのコーエン小児医療センターのために45フィートの壁画を完成させた。高さ450メートル、4500平方フィートという、これまで描かれた小児病院の壁画の中で最大のものとなった。
プロフィール
上久保 直紀
2017年 慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻 卒業
2019年 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程芸術文化政策コース 修了
2020年 一般財団法人カルチュラルライツ設立。
エデュケーター。キュレーター。一般財団法人カルチュラルライツ代表。
造形ワークショップを中心とした美術教育プログラムの開発や、美術教育を主目的とした展示事業などを企画。主な企画に、「調布・巡る・アートプロジェクト」(2020年)、「いとまの方法」(2022年)、「移動美術館アート・トラック」(2021年〜)、など。
・【審査員情報】経歴 / 職務履歴 / 執筆歴
・【ホームページ】一般社団法人 カルチュラルライツ
公募内容について
対象施設 : | 児童養護施設 612施設(全国) |
---|---|
対象年齢 : | 幼児から高校生まで |
募集期間 : | 令和5年9月5日まで |
絵の種類 : | 水彩、油絵、クレヨン、デッサンの別は問いません。 |
用紙サイズ: | A4用紙(210mm×297mm) |
絵のテーマ: | 大切にしているもの |
審査基準について
どの作品にもそれぞれの想いが詰まっていて、一生懸命描いている姿が目に浮かびました。だからこそ、その想いに応えるべく真剣に、また慎重に審査させていただきました。描いた子の強い想いや意志に加えて、絵画としての力強さや表現方法、構成力などを考慮した上で以下を審査基準とさせていただきました。
①作品とテーマの関係性
・作品とテーマの関係性がはっきりしているもの・作品から強いメッセージ性が読み取れるもの・強い意志が作品から感じられるもの
②発想力・構成力
・独自の発想や視点が描かれているもの・主張に沿った画面構成がなされているもの・発想と構成がはっきりしているもの
③絵画としての構成力
・独自のこだわりがはっきり見えてくるもの・素材ならではの表現が伝わってくるもの・絵画として自由に表現しているもの
入館料のお願い
こちらのページは『日本子ども未来展』と題したオンライン美術館をイメージしてつくりました。
基本的には入館料は
ございませんが、心に残った作品がございましたら
お気持ちの入館料(ご寄付)をいただけますと子どもたちのために継続した活動をすることができます。
お支払いはこちらから
第5回日本子ども未来展
作品の紹介
金賞(1名)
- 題名
- 世界に1つのしゃしんたて
- 年齢
- 11歳
- 氏名
- W.Y
- 審査ポイント
-
写真立てか額縁か、縁取られた枠の中は淡く単色で塗られ、代わりに縁そのものに小さな装飾が描き込まれています。ここに描かれていないだけで既に写真や絵が収められているのでしょうか、それともこれから先にあるだろう大切な瞬間を収めていくためのフレームなのでしょうか、想像が膨らみます。なにより、「大切にしているもの」というテーマに対し、大切なものを収めるのに使うフレームを描くという入れ子のアイデアがユーモラスです。そしてそのフレーム自体が実在のお気に入りのアイテムであると思われること(飾りの具体的な描写!)によって、そこに収められる記憶がいかに大切なのかが表現され、アイデアと描画がユニークに噛み合っています。
銀賞(2名)
銅賞(10名)
- 題名
- おもいでのいえ
- 年齢
- 9歳
- 氏名
- S.Y
- 審査ポイント
-
四角と三角で構成された家の形、十字に区切られた窓やドアの描写の中で、一部飛び出すように描かれたベランダと思われる箇所が目を引きます。洗濯物が干されているのでしょうか、局所的に具体性が現れているこの場所でなにがあったのか、そこで過ごした時間、そこで見たなにかが「大切にしているもの」なのだろうかと、背景のストーリーを想像させます。
- 題名
- ゴールデンカブトムシ
- 年齢
- 6歳
- 氏名
- N.K
- 審査ポイント
-
カブトムシを見つけたある夜の記憶がそのまま定着されたような作品です。目前に迫るように大きく描かれたカブトムシが、その日見上げたのであろう空と併せて描かれることで、漠然としたイメージではなく、具体的なある一日の記憶を活写したのだと思わせます。色彩の対比も生まれており、目を引く作品です。
- 題名
- 暗闇の中の光
- 年齢
- 14歳
- 氏名
- R.I
- 審査ポイント
-
手持ち花火を楽しんでいる場面を、ユニークな一人称視点で描いています。ゲームの画面のように手を配置した構図で、主役は花火そのものというより花火の光を反射する手の方のようです。難しい手の描写が丁寧に、巧みに行われています。
- 題名
- 大切な命
- 年齢
- 16歳
- 氏名
- K.H
- 審査ポイント
-
芽の生長が時系列で並べられており、一匹の犬がそれを見つめています。時間の経過をひとつの絵の中で表現する「異時同図法」と呼ばれる技巧の面白みに加え、犬が逆光で描かれることで、確かにこんな時間があったのだろうという記憶の具体性が、説得力を持って感じられます。
- 題名
- お気に入りのプレゼント
- 年齢
- 10歳
- 氏名
- S.N
- 審査ポイント
-
野球にまつわるいくつかのモチーフが、区切られた枠内に描かれ並んでいます。その枠もまた四角形の枠に収まっており、複数の階層があることで、どういった構造になっているのか興味を引く作品です。
- 題名
- パパとママとぼくの写真
- 年齢
- 5歳
- 氏名
- S.Y
- 審査ポイント
-
四人の顔がアップで描かれた華やかな作品です。作品を縁取るように赤いアウトラインが引かれており、画中画(絵の中に絵がある絵)の形式で写真が描かれているというユニークな構造も持っています。
- 題名
- 夢
- 年齢
- 16歳
- 氏名
- R.K
- 審査ポイント
-
抽象的な背景に、楽器を持った人物がシルエットとして描かれています。背景の滲んだ筆致と色彩には情感があり、楽器を持っている(なにかを表現しようとしている)人物の内面が投影されているようです。
- 題名
- あふれる学校の思い出の海
- 年齢
- 18歳
- 氏名
- K.N
- 審査ポイント
-
学校の周囲を水辺の生き物たちが囲っています。ボールや音符といった学校的なモチーフと生き物たちが絡み合い、校舎にもうっすらイルカが重ねて描かれるなど、イメージが隣り合うだけでなく絡み合い重なり合っているのが楽しい作品です。
参加した作品集
※「作品・子どもたちの想い」を見るには、作品をクリックしてください
入館料のお願い
こちらのページは『日本子ども未来展』と題したオンライン美術館をイメージしてつくりました。
基本的には入館料は
ございませんが、心に残った作品がございましたら
お気持ちの入館料(ご寄付)をいただけますと子どもたちのために継続した活動をすることができます。
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